北京旅行でまず必要なのが、現金(人民元)ですよね。
現金を手に入れる場所はいくつかあり、おもなところでは日本の両替所や銀行、中国の空港両替所や銀行、そしてATM(中国のATMキャッシング)です。
このように現金を入手する手段はいくつかありますが、ただレートや手数料は一律ではありません。
レート・手数料が安い方法と高い方法とでは、一回の両替で1,000円以上も手数料が異なってきます。
100円200円ならともかく、1,000円以上も違ってくると大きいですよね。
旅費はなるべく安くしたいですし、無駄な出費は削りたいところです。
そこで今回どの方法が一番安くてお得か、現金(人民元)の両替・入手方法の比較をしてみました。
北京旅行の際に、ぜひ参考にしてください。
1.人民元の両替比較
人民元の両替・入手方法の比較です。【為替レート(2022 年11月8日)1元=20.2989円】
両替方法 | 円→人民元 | 手数料上乗せ率 |
ワールドカレンシーショップ(MUFGグループ) | 22.03 | 8.5280483178891 |
トラべレックス(三井住友銀行と取次契約) | 22.01 | 8.4295208114725 |
GPA外貨両替専門店(成田空港) | 22.14 | 9.0699496031804 |
マネーバンク(外貨宅配) | 20.53 | 1.1384853366438 |
中国銀行 | 20.357477301412 | 0.2885737720369 |
中国工商銀行 | 20.364110292021 | 0.3212503732763 |
中国建設銀行 | 20.365769215103 | 0.3294228510067 |
中国農業銀行 | 20.362451639177 | 0.3130792268398 |
セディナカード(Master)でATMキャッシングし3日後に返済 | 20.48259036875 | 0.9049276992841 |
各種両替では、為替レートに手数料が上乗せされます。
表の中央が日本円を人民元に両替した時の金額で、たとえばワールドカレンシーでは1元=22.03円です。
これを見ると、最も高いところと最も安いところでは両替手数料に大きな差があることが分かるでしょう。
たとえば1,000元両替するのに、この日手数料が一番高いGPA外貨両替専門店では22,140円かかりますが、中国銀行では20,357円で済みます。
その差なんと1,783円!
一回の両替でこれだけ手数料が違ってくると、どこで両替するかが重要になってきますよね。
そこで以下、人民元を安く入手できる順に両替場所・方法を解説していきます。
比較したのは日本の両替所、中国の銀行、そしてATMキャッシングです。
ATMキャッシングについては、手数料が安くて有名なセディナカードを調べました。
中国の空港両替所とホテルでの両替については具体的な数値が得られなかったので、あとでそれぞれ解説します。
2.中国の銀行で両替
中国の銀行で両替するのが、2022月11月8日時点で最もお得に人民元を入手できる方法です。
銀行窓口での両替の手順は、以下のとおり。
- 整理券を受け取る
- 両替用の用紙に必要事項を記入
- 整理券の番号が呼ばれたら、指定の窓口へ。用紙とパスポート、日本円を渡す
- 人民元と両替証明書を受け取る
お金を受け取ったら、その場で金額を確認しましょう。
いったんその場を離れてしまうと、たとえ金額が合わなかったとしても対応してくれません。
また両替証明書は、再両替の時に必要になるので保管しておくように。
整理券や両替用紙など分からないことがあったら、銀行員か警備員に聞きましょう。
言語は中国語か英語ですが、どちらも話せない場合は日本円を見せて身振り手振りで訴えるか、「兑换」または「换钱」(どちらも両替の意)と書いたメモを見せると良いでしょう。
注意点として、2018年以降銀行口座を持たない人の現金外貨両替を断るケースが出てきたと、ガイドブック「地球の歩き方・北京」(2019-2020)で報告されています。
両替を受け付ける場合でも中国の携帯電話番号の通知が必要になり、それがない場合は日本のマイナンバーや健康保険証番号など日本の個人識別番号の記載が必要になります。
このように中国の銀行での両替はメリットとしてレートが良い反面、デメリットとして両替できないリスクがあります。
他にも面倒なこととして中国語または英語でやりとりしなければなりませんし、混んでたら並ばなければなりません。
このようなデメリットがあるので、人民元の調達は銀行での両替のみに頼るのではなく、他にも手段を確保しておくべきです。
たとえば、以下で紹介するATMキャッシングです。
3.セディナカードでATMキャッシング
セディナカードによるATMキャッシングは、人民元の入手方法としては最もおすすめです。
それは手数料を安くできてお得である上に、大変便利だからです。
以下、具体的に見ていきます。
1.セディナカードはお得
海外旅行でのお得な外貨両替として、セディナカードによるATMキャッシングは有名ですが、中国でもそれは同様です。
今回2022年11月8日時点では中国の銀行での両替の方がレートが良かったですが、時期によってはセディナカードでのATMキャッシングの方が人民元を安く引き出せます(むしろその方が多いとすら言えます)。
セディナカードが他のクレジットカードに比してお得である理由は、以下の二点にあります。
- ATMから現地通貨を引き出した3~4日後には、ネットで繰り上げ返済できる
- ATM手数料がかからない
順に解説します。
1.ATMキャッシングした3~4日後にはネットで繰り上げ返済できる
普通クレジットカードでATMキャッシングすると、引き出した金額に対して利息がかかり、返済するまで一日一日と利息が積み重なっていきます。
カードによっては締日まで支払い金額が確定せず、返済可能になるまで30日以上かかってしまうことがあります。
ところがセディナカードではATMキャッシングして3~4日後には支払い金額が確定し、ネットで繰り上げ返済できるようになります。
これによって、利息をわずか3~4日に抑えることができます。
ここにセディナカードの、他のクレジットカードに対する優位性があります。
さらに、ATMキャッシングの返済にはペイジー(Pay-easy)というネットのサービスを使うことになりますが、ペイジーは手数料無料で各金融機関から返済ができます。
他のカードでは繰り上げ返済のためにカード会社に電話しなければならなかったりして、その場合旅行中であれば国際電話料金がかかりますし、銀行の振込手数料もかかります。
セディナカードでは電話する必要もなくネットから繰り上げ返済ができ、しかも振込手数料もかかりません。
このように、ATMキャッシングして3~4日後にはネットで繰り上げ返済できるのが、セディナカードがお得な理由です。
中国にはネット規制があり、セディナカードで繰り上げ返済するためのサイト「セディナビ」にアクセスできません。
そのため、中国のネット規制を回避するためのWiFiレンタルか香港SIMカードが必要になります。
WiFiレンタルと香港SIMカードについては、以下の記事で解説しています。
北京旅行で自由にネットできる!WiFiレンタルおすすめ3選
北京旅行でLINEやGoogleが使える!SIMカードおすすめ3選
2.ATM手数料がかからない
セディナカードは、ATM手数料がかかりません。
これがセディナカードがお得な理由の2点目です。
そもそも海外ATMキャッシングには、2種類のATM手数料があります。
- 海外ATMオーナー手数料
- カード会社に払うATM手数料
一点目の海外ATMオーナー手数料は、ATMを設置している銀行などに支払う手数料です。
デビットカードなどではこの手数料がかかりますが、クレジットカードでは基本的にかかりません。
二点目のカード会社に払うATM手数料は、クレジットカードによってかかるものとかからないものがあります。
セディナカードはこの手数料がかかりません。
ここにセディナカードのお得さがあります。
3.【実例】セディナカードで1,000元をATMキャッシング
上の表で見たように、セディナカード(Master)でATMキャッシングし3日後に繰り上げ返済すると、1元=20.48259036875円で上乗せ率は0.9049276992841です。
なぜこの額になるのか、以下具体的に1,000元引き出した場合を例に計算してみます。
やや煩雑になるので、興味なかったらこの項は読み飛ばしてください。
まず1,000元が日本円でいくらになるかは、クレジットカードのブランドであるVisaやMasterの独自レートによって決まります。
この独自レートは、為替レートに各ブランドが手数料を上乗せして決めたものです。
Visa、Master、JCBのレートは公開されており、最近(2022年11月3日〜)の人民元・日本円のレートは以下のグラフのとおりです(1人民元に対する日本円のレート)。
JCBは中国ではあまり使えないので、ここでは論外とします。
Visa、Masterのレートは人民元に関して拮抗しており、手数料の上乗せ率はどちらも1%前後。
一般的に他の通貨ではMasterがVisaよりレートがよいとされますので、以下Masterで計算します。
2022年11月8日のMasterのレートでは、1元=20.4519125円です。
1,000元では、20,451.9125円(利息の計算のため小数点以下も残します)。
次に利息の計算をします。
基本的にクレジットカードの年利は18.0%です。
1日の利息は
18%÷365日≒0.05%
1,000元(=20,451.9125円)で、1日の利息は日本円でいくらになるかというと
20,451.9125×0.05%=10.22595625
つまり1日の利息は、10.22595625円(約10円)です。
3日で繰り上げ返済したとすると、利息は3日分なので
10.22595625×3=30.67786875
3日分の利息は、30.67786875円(約30円)です。
この利息と合わせて、1,000元のキャッシングの請求がいくらになるかというと
20,451.9125+30.67786875=20,482.59036875
つまり20,482円がセディナカードで1,000元キャッシングし、3日で繰り上げ返済した額です。
この額を、他の両替と比べてみます。
以下の表は、1,000元を入手するために必要な日本円です(2022年11月8日)。
両替方法 | 円→人民元 |
ワールドカレンシーショップ | 22,030円 |
トラべレックス | 22,010円 |
GPA外貨両替専門店 | 22,140円 |
マネーバンク | 20,530円 |
中国銀行 | 20,357円 |
中国工商銀行 | 20,364円 |
中国建設銀行 | 20,365円 |
中国農業銀行 | 20,362円 |
セディナカード(Master)でATMキャッシングし3日後に返済 | 20,482円 |
セディナカードでATMキャッシングすると安く人民元が入手できることが分かると思います。
一番手数料の高いGPA外貨両替専門店と比べて、その差1,658円!
一回の両替でこれだけ変わってくるわけですから、旅費を節約するためにもセディナカードはおすすめです。
2.セディナカードは便利
セディナカードのATMキャッシングは、お得であるだけでなく大変便利です。
それは以下に見るような、ATMの利便性によります。
ATMは24時間365日使える
ATMは24時間365日使えます。
銀行の両替のように、営業時間に左右されることがありません。
ATMキャッシングするためのATMも多いです。
ATMは銀行にはたいてい併設されてますし、北京には銀行が多いからです。
また銀行での両替のように中国語か英語でやりとりする面倒もありませんし、長時間並ぶこともありません。
このようにセディナカードでのATMキャッシングはお得に人民元を入手できる上に、ATMゆえのいくつもの便利さがあります。
セディナカードによるATMキャッシングは、人民元の入手方法として最もおすすめです。
北京旅行が決まったらぜひ、セディナカードに申し込んでください。
ちなみにJCBは中国のATMでは使えないところがほとんどなので、選ばないように。
VisaかMasterが良いですが、一般的にはMasterの方がレートが良いと言われるので、Masterがおすすめです。
4.マネーバンクで外貨宅配
日本での人民元両替で圧倒的にレートが良いのは、マネーバンクの外貨宅配です。
はじめに載せた表のように、マネーバンクは中国の銀行のレートとほとんど変わらない安さです。
外貨宅配とは、ウェブで申し込むと外貨を自宅に届けてくれるというもの(マネーバンクは空港郵便局にも届けてくれます)。
いくつか外貨宅配のサービスが日本にはありますが、その中でもマネーバンクは格安です。
以下の表のとおりです(2022年11月6日、為替レートは1元=20.4043円)。
外貨宅配会社 | 円→人民元 | 送料 | 最小申し込み金額 |
マネーバンク | 20.58 | 無料 | 70,000円 |
トラべレックス | 22.05 | 3万円以上10万円以下:1,000円 10万円以上:無料 |
30,000円 |
GPA外貨両替専門店(成田空港) | 22.03 | 無料 | 30,000円 |
外貨両替ドルユーロ | 20.62(セール中) | 10万円以下:400円 10万円以上:無料 |
30,000円 |
マネーバンクは1元=20.58円と、断トツの安さです。
「外貨両替ドルユーロ」も20.62円と安いですがセール中なので、いつもこれほど安いわけではありません。
マネーバンクは、送料無料なのも嬉しいところ。
ただ最小申し込み金額が70,000円なのが、デメリットと言えるかもしれません。
もちろん余った人民元は円に再両替できますが、レートは若干悪くなります。
70,000円分も使わない場合、再両替で損することになるかもしれません。
一方70,000円分は人民元を使うであろう場合、あるいは次回も北京に行くつもりで余った人民元は残していて問題ない場合なら、マネーバンクがおすすめです。
たとえば70,000円分を人民元に両替した場合を他の日本の両替所と比べてみると、そのお得さが顕著です(2022年11月6日、為替レートは1元=20.4043円)。
両替会社 | 円→人民元 | 70,000円分を両替した人民元(小数点以下は切り捨て) |
マネーバンク | 20.58 | 3,401元 |
トラべレックス | 22.05 | 3,174元 |
GPA外貨両替専門店 | 22.03 | 3,177元 |
ワールドカレンシー | 21.93 | 3,191元 |
マネーバンクで70,000円を人民元に両替すると、3,401元になります。
これはこの日最もレートの悪いトラべレックスと比べて、227元も多く人民元が手に入ることになります。
この日のレートで、227元は4,631円です!
4,631円分も多くお金がもらえるなら、その方がもちろんいいですよね。
このように日本で人民元を両替するなら、マネーバンクが圧倒的にお得です。
70,000円分人民元を使う予定があるなら、マネーバンクの外貨宅配を申し込みましょう。
5.中国のホテルで両替
中国の中級以上のホテルでは、両替してくれるところがあります。
ホテルは中国の銀行の次にレートが良いとされる一方、1元以下の端数は切り捨てられる、大量の両替は断られることがある、宿泊客以外は断られることがあるなどのデメリットがあります。
6.中国の空港両替所で両替
中国の空港の両替所での両替は、一回につき40~60元(1,000円前後)の手数料がかかります。
レートも中国の銀行に比べて悪いとされるので、空港の両替所はあまりおすすめできません。
7.日本の両替所で両替
日本の両替所での両替が、最もレートが悪いです。
できれば中国でセディナカードを使ってATMキャッシングするか、中国の銀行で両替するか、またはマネーバンクの外貨宅配を申し込むかしたほうが、安く人民元を手に入れられます。
ただ初めて北京旅行する場合、1元も持たずに北京に行くのは不安かもしれないので、多少手数料はかさんでも200~300元くらいは日本で両替しておくのもいいかもしれません。
8.まとめ
人民元の両替・入手方法の比較でした。
人民元をお得に入手できるのは、中国の銀行で両替するか、セディナカードでATMキャッシングするか、マネーバンクに外貨宅配を申し込むかのいずれかです。
日本で人民元を入手するなら、マネーバンクが最安です。
中国で人民元を入手するなら、セディナカードによるATMキャッシングがお得な上に簡単・便利です。
繰り上げ返済すれば手数料は安く済みますし、ATMは24時間365日使えます。
中国の銀行での両替のように、銀行員と中国語または英語でやりとりする手間もかかりません。
人民元を入手する手段としては、セディナカードは最もおすすめです。