北京を一人旅する時、ガイドブックは強い味方になってくれます。
とくに、オフラインで使えるのは強みです。
たとえば旅行中、ネットがつながらないところで調べたいことがある時、ガイドブックならいつでも読むことができます。
今日、ネットで旅行の情報をいくらでも調べることができる時代になりましたが、だからといって旅行にガイドブックを持っていかないのは不安でしょう。
とりわけ一人旅では、旅行中自分一人で解決しなければならない時もあるでしょうから、ネット環境に左右されないガイドブックは心強いです。
実際、私が北京をはじめて一人旅した時は初海外でもあり、迷ったり困ったりの連続でしたが、ガイドブックがそんな私の大きな役に立ってくれました。
ですので、北京旅行にはガイドブックを持っていくことをおすすめします。
今回は北京を一人旅する観点から、現在出版されている主要なガイドブックを徹底比較します!
1.北京のガイドブックの選び方
北京ひとり旅のためにガイドブックを購入する時、何に注目して選んだらよいでしょうか?
まず、次の二点は確認しておくべきです。
- 情報は新しいか
- アクセス・移動方法はくわしいか
順に説明します。
1.情報は新しいか
まず注目すべきは、ガイドブックの新しさです。
中国は、変化の速い国です。
たとえばスマホ決済はここ3〜4年で急速に発展し、中国人の支払い方法を大きく変えてきました。
それは中国を観光で訪れる外国人にも、大きく影響するものです。
その他、政府による制度・システムの改変や規制強化は頻繁で、外国人観光客が困惑する場面がしばしばです。
もしガイドブックが古くて、中国の新しい変化を載せていない場合、何も知らない旅行者は現地で困ることになりかねません。
ですので、ガイドブックが最新の情報に対応しているか、出版年は最近か、確認する必要があります。
今回紹介するガイドブックは全て2017年以降に出版されたもののみで、それ以前のものは割愛しました(『ララチッタ北京』2013年発行)。
2.アクセス・移動方法は詳しいか
一人旅をする観点から言うと、ガイドブックで重要なのはアクセス・移動方法の詳しさです。
グルメの名店や人気お土産ショップの情報は知らなくても旅行はできますが、目的地へどうやって行くかの詳細な方法が分からなければ、旅行自体が成り立ちません。
とりわけ一人旅はツアー旅行と違って、誰かが目的地に連れて行ってくれるわけではなく、自分でアクセス方法を調べて移動しなければなりません。
ですので、この移動方法の記述はできるだけくわしく、具体的であるのが望ましいです。
中国だけでなく、東南アジアやインドを一人旅した私の経験からすると、ガイドブックで最も多くめくることになるページは、各都市や観光名所への行き方を説明したページだと思います。
このように、ガイドブックでまず注目すべきは、情報は新しいか、移動方法は詳しいかです。
この2点に留意しつつ、以下、北京のガイドブックを比較していきます。
2.北京のガイドブック徹底比較
北京のガイドブックは上海や香港・マカオほど多くなく、3冊のみです。
では早速、3冊を比較してみましょう。
中国の基本情報 | 移動・アクセス | グルメ・買い物 | 旅行スタイル | |
地球の歩き方 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️ | 一人旅 |
タビトモ | ⭐️⭐️ | ⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | ツアー旅行 |
lonely planet | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️⭐️ | 一人旅 |
結論から言うと、上海のガイドブックと同様、北京を一人旅するのに最も適しているのは『地球の歩き方』です。
理由は、中国の最新情報が充実していることと、移動・アクセス情報が詳細だからです。
以下それぞれに即して、具体的に見ていきます。
1.地球の歩き方 北京
出版社 | ダイヤモンド社 |
発行年 | 2021年1月 |
ページ数 | 379 |
値段 | ¥1,760 |
中国の基本情報 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
移動・アクセス情報 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
グルメ・ショッピング情報 | ⭐️⭐️⭐️ |
持ち歩きやすさ | ⭐️⭐️⭐️ |
この本に合う旅行スタイル | 一人旅 |
北京を一人旅するのに最も適したガイドブックは、地球の歩き方です。
その理由は、以下の二点です。
- 中国の最新情報に対応
- 移動・アクセス情報が詳細
順に解説します。
中国の最新情報に対応
中国は、変化が大変速い国です。
地球の歩き方はその最新で、しかもきわめて重要な情報を掲載しています。
たとえば、次のような情報です。
- 中国の銀行口座を持たない旅行者は、市中の銀行での両替が困難になっている
- 街角で警官による身分証明書チェックがあるので、パスポートは常に持ち歩く
- 中国入国時に指紋採取開始(2018年より)
- ホテル宿泊時に顔写真撮影
- モバイル決済が普及しているが外国人は利用不可(2019年末よりアリペイは利用可)
- インターネットは規制され、LINEやGoogleは使えない
- 故宮で紙の切符販売が廃止
このような極めて重要な最新情報は地球の歩き方のみが掲載しており、他のガイドブックでは触れられていません。
北京でとくに特筆すべきは、最重要観光スポットといってよい故宮で、紙の切符販売が廃止されたことです。
中国人はネットで予約できますが、銀行口座を持たない外国人は予約できません。
当日券のみ窓口で販売しているそうですが、1日8万枚の入場制限に達した段階で販売が終了するそうです。
繁忙期には入場できないこともあるようなので、午前中の早い時間に出向く必要があると、地球の歩き方は親切に教えてくれています。
故宮は北京を旅行する旅行者が必ず行くといっていい観光地であり、ゆえにこの情報を知らないと現地で当惑することになりかねません。
このように中国の最新で、しかもきわめて重要な情報について、地球の歩き方は解説してくれています。
故宮で紙の切符が廃止されたことは、地球の歩き方で知りました。
近年、故宮を訪れてませんでしたが、知らない間にこんなに変わってたんですね・・・
中国の変化は、本当に速いです!
移動・アクセス情報が詳細
各観光名所へのアクセス方法がくわしいのも、地球の歩き方の強みです。
とくに北京では、万里の長城や明十三陵といった世界遺産が郊外にあるので、どうやって行ったらいいか、詳しい移動方法が必要です。
その点、地球の歩き方は移動方法がとても詳しく解説されているので、重宝します。
とくに人気の万里の長城では、2ページにわたって行き方を解説してくれています。
またバスの乗り方や、高速鉄道の切符購入時に便利な筆談メモまで解説しているので助かります。
このように移動・アクセス情報が詳細なので、北京を一人で歩き回るために地球の歩き方は大変役立ちます。
北京では郊外に限らず、頤和園や798は中心部から離れてますし、天壇や南鑼鼓巷、什刹海など中心部でも見どころが分散してるので、地下鉄・バスを使いまくります。
ですので、移動の解説は、できるだけ詳しいものがいいです!
以上、『地球の歩き方 北京』の解説でした。
地球の歩き方は、北京を一人旅するのに最も適したガイドブックです。
北京への旅行が決まったら、すぐに購入してください。
2.タビトモ 北京
出版社 | JTBパブリッシング |
発行年 | 2019年6月 |
ページ数 | 144 |
値段 | ¥1,320 |
中国の基本情報 | ⭐️⭐️ |
移動・アクセス情報 | ⭐️⭐️ |
グルメ・ショッピング情報 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ |
持ち歩きやすさ | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
この本に合う旅行スタイル | ツアー・団体旅行 |
るるぶのJTBが出す、北京ガイドブックです。
メリットは、コンパクトで軽いこと。
デメリットは、北京の最新情報と移動情報が少ないことです。
たとえば、故宮の入場についての最新情報が少ないですし、また万里の長城への行き方について鉄道だけでバスでの行き方がありません。
タビトモはツアー旅行では十分かもしれませんが、はじめて北京を訪れるひとり旅旅行者には情報量がやや少ないと思います。
3.ロンリープラネット北京(lonely planet Beijing)
出版社 | lonely planet |
発行年 | 2017年5月 |
ページ数 | 288 |
値段 | 単行本$22.99USD 電子書籍$16.09USD |
中国の基本情報 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
移動・アクセス情報 | ⭐️⭐️⭐️ |
グルメ・ショッピング情報 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ |
持ち歩きやすさ | ⭐️⭐️⭐️ |
この本に合う旅行スタイル | 一人旅 |
世界で最も売れている英語のガイドブック、『lonely planet』の北京版です。
ロンリープラネットには日本の北京ガイドブックにはない視点があるので、北京について新しい見方と価値観を知れて面白いです。
たとえば「Top Sight」の中に、故宮や万里の長城などの世界遺産と並んで、次のような観光スポットを入れています。
- 雍和宮
- 鼓楼
- 鐘楼
- 北海公園
- 798芸術区
これらの観光スポットが、故宮などの世界遺産と同列に並べられることは、日本ではまずないことです。
この本からは、寺社仏閣などの歴史的遺産や芸術的遺産を重視しているのが窺われます。
ロンリープラネットの創業者はイギリス人夫婦であり、西洋人が中国にもつ興味関心を知ることもできて面白いのではないでしょうか。
ロンリープラネットは英語なので全ての人におすすめできませんが、地球の歩き方が物足りないなら、読んでみると新たな発見があるかもしれません。
単行本・eBook(電子書籍)ともに、公式サイトからのみ購入可能です。
北京のガイドブックまとめ
北京はガイドブックが少ないので、選ぶのに困ることはないのではないでしょうか。
北京ひとり旅のためのガイドブックは、地球の歩き方一択です。
理由は、北京の最新情報と移動情報が充実しているからです。
私も初めての北京旅行では、この地球の歩き方を持っていきました。
はじめての海外旅行でもありましたが、故宮や万里の長城など行きたい所にも無事に行けて、北京を十分満喫できました。
今から振り返ってもいい旅でしたが、それもこれも地球の歩き方のおかげです。
北京への旅行が決まったら、まず『地球の歩き方 北京』を購入してください。